I Didn't Know My Own Strength

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15日,「ロックの殿堂」により2020年の殿堂入りアーティストが発表され,デペッシュ・モード,ナイン・インチ・ネイルズ,ホイットニー・ヒューストン,ドゥービー・ブラザース,ノトーリアス・B.I.G.T・レックス,計6組のアーティストがロックの歴史に新たにその名を刻むこととなった。個人的に最も感慨深いのはもちろんデペッシュ・モードということになるが,ホイットニー・ヒューストンの選出もまた非常に興味深い。
 
2000年代に入ってからの凋落はともかく,80年代以降のポップ・シーンにおける女性シンガーの歌唱力にフォーカスすれば,ホイットニーとマライア・キャリー,クランベリーズのドロレス・オリオーダンがやはり別格だと僕は考えていて,とりわけ,ここ日本でも当時の洋楽史上最高の280万枚というスーパー・セールスを記録したホイットニーの I Will Always Love You90年代最高のラヴ・ソングの1つだと思っている。
 
その I Will Always Love You を筆頭に,Saving All My Love for youGreatest Love of AllDidn't We Almost Have It AllIt's Not Right But It's OkayMy Love Is Your Love など彼女が残した名曲の数々は枚挙に暇がないわけだが,今日は敢えてこの曲を取り上げたい。
 
Whitney Houston - I Didn't Know My Own Strength - 2009
 
遺作となった2009年の 7th アルバム I Look to You 収録曲。当初はリード・シングルとしてのリリースが予定されていたものの,レーベルの意向でタイトル・トラック I Look to YouMillion Dollar Bill2曲のシングルに続くプロモーション・シングルとしてデジタル配信された。
 
身も蓋もない話にはなってしまうのだが,アリシア・キーズ,R. ケリー,ダイアン・ウォーレン,デイヴィッド・フォスターなど錚々たる顔ぶれがライターに名を連ねた収録曲の良し悪しは別にして,全米No.1,全英でも最高3位を記録した I Look to You に対する僕の評価は極めて低く,一言で言えば無残というか悲惨なアルバム。年齢による衰えなのか,はたまた長きに渡るアルコールやドラッグ依存が及ぼした悪影響なのか,前述の名シングルに聴かれた見事なヴォーカリゼーションはすっかり影を潜め,声域,声量,声質,全てにおいて惨めに枯れ果てた往年の名歌手といった趣だ。
 
だが,それゆえ,このプロモーション・シングルは今なお強く僕の胸を打つ。
 
私は自分がどんなに強いか知らなかったの/私は崩れ落ちた/でも/散り果てることはなかった/
全ての痛みを乗り越えた/私は自分がどんなに強いか知らなかったの/
どん底の暗闇を生き抜き/そして/信念が私を生かし続けた/立ち上がって/前を向いて/
私は壊れるために生まれたわけじゃない/私は自分がどんなに強いか知らなかったの…
 
この曲のソングライトを手掛けたダイアン・ウォーレンの意図がどうあったにせよ,苦難を乗り越え立ち上がろうとする曲中の主人公の独白は,ドラッグ所持によるハワイでの逮捕劇,その後の不摂生による健康状態の悪化,ボビー・ブラウンとの離婚など多くのトラブルを抱えてキャリアの危機にあったホイットニーの姿と重なりあまりに感動的。
 
全盛期の彼女の声で聴きたかったというのはもはや叶わぬ本音だが,多くのヒット・シングルと共にこの曲もまた長く僕の記憶に残る1曲となるだろう。
 

 
 
15日,「ロックの殿堂」により2020年の殿堂入りアーティストが発表され,デペッシュ・モード,ナイン・インチ・ネイルズ,ホイットニー・ヒューストン,ドゥービー・ブラザース,ノトーリアス・B.I.G.T・レックス,計6組のアーティストがロックの歴史に新たにその名を刻むこととなった。個人的に最も感慨深いのはもちろんデペッシュ・モードということになるが,ホイットニー・ヒューストンの選出もまた非常に興味深い。
 
2000年代に入ってからの凋落はともかく,80年代以降のポップ・シーンにおける女性シンガーの歌唱力にフォーカスすれば,ホイットニーとマライア・キャリー,クランベリーズのドロレス・オリオーダンがやはり別格だと僕は考えていて,とりわけ,ここ日本でも当時の洋楽史上最高の280万枚というスーパー・セールスを記録したホイットニーの I Will Always Love You90年代最高のラヴ・ソングの1つだと思っている。
 
その I Will Always Love You を筆頭に,Saving All My Love for youGreatest Love of AllDidn't We Almost Have It AllIt's Not Right But It's OkayMy Love Is Your Love など彼女が残した名曲の数々は枚挙に暇がないわけだが,今日は敢えてこの曲を取り上げたい。
 
Whitney Houston - I Didn't Know My Own Strength - 2009
 
遺作となった2009年の 7th アルバム I Look to You 収録曲。当初はリード・シングルとしてのリリースが予定されていたものの,レーベルの意向でタイトル・トラック I Look to YouMillion Dollar Bill2曲のシングルに続くプロモーション・シングルとしてデジタル配信された。
 
身も蓋もない話にはなってしまうのだが,アリシア・キーズ,R. ケリー,ダイアン・ウォーレン,デイヴィッド・フォスターなど錚々たる顔ぶれがライターに名を連ねた収録曲の良し悪しは別にして,全米No.1,全英でも最高3位を記録した I Look to You に対する僕の評価は極めて低く,一言で言えば無残というか悲惨なアルバム。年齢による衰えなのか,はたまた長きに渡るアルコールやドラッグ依存が及ぼした悪影響なのか,前述の名シングルに聴かれた見事なヴォーカリゼーションはすっかり影を潜め,声域,声量,声質,全てにおいて惨めに枯れ果てた往年の名歌手といった趣だ。
 
だが,それゆえ,このプロモーション・シングルは今なお強く僕の胸を打つ。
 
私は自分がどんなに強いか知らなかったの/私は崩れ落ちた/でも/散り果てることはなかった/
全ての痛みを乗り越えた/私は自分がどんなに強いか知らなかったの/
どん底の暗闇を生き抜き/そして/信念が私を生かし続けた/立ち上がって/前を向いて/
私は壊れるために生まれたわけじゃない/私は自分がどんなに強いか知らなかったの…
 
この曲のソングライトを手掛けたダイアン・ウォーレンの意図がどうあったにせよ,苦難を乗り越え立ち上がろうとする曲中の主人公の独白は,ドラッグ所持によるハワイでの逮捕劇,その後の不摂生による健康状態の悪化,ボビー・ブラウンとの離婚など多くのトラブルを抱えてキャリアの危機にあったホイットニーの姿と重なりあまりに感動的。
 
全盛期の彼女の声で聴きたかったというのはもはや叶わぬ本音だが,多くのヒット・シングルと共にこの曲もまた長く僕の記憶に残る1曲となるだろう。
 

 
 
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Black - Wonderful Life - 1986
 
20161月,不慮の事故によってこの世を去ったブラックことコリン・ヴァーンコムの代名詞とも言える1曲。
 
元々は同名の 1st アルバム からのリード・シングルとして1986年にリリースされたもの。3rd カットとなった Sweetest Smile のスマッシュ・ヒットを受けて再リリースされた1987年,No.1を記録したオーストリアを含むヨーロッパ12ヵ国でトップ10入りするビッグ・ヒットとなった。
 
逃げる必要もない/隠れる必要もない/それこそが素晴らしき人生だ…
 
笑う必要もない/泣く必要もない/それこそが素晴らしき人生だ…
 
「逃げ隠れ」はともかく,サビのリリックに描かれる感情の起伏のない世界はとても「素晴らしき哉,人生!」といった類のものではないようにも思われるが,これはアイロニカルな表現を好む英国人気質が反映されたものだろう。いずれにせよ,AllMusic が「ブライアン・フェリーモリッシーの間に位置づけられる」と評したコリン(当然,僕自身はこの評価に納得するものではない)の淡々としながらどこか不思議な哀愁を帯びた歌唱で綴られるこの「素晴らしき人生」は,印象的なスティール・ドラムの音色とも相俟って途方もない美しさを湛える。
 
なかなか味わい深い楽曲を多く残していると個人的には思うものの,所謂「一発屋」にカテゴライズされることが多いコリン・ヴァーンコム。やはりブラックと言えばこの Wonderful Life ということにはなるのだろう。
 
モノクロのMVもこの曲の世界観にピッタリだ。
 
 
 

Wonderful Life

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  Black - Wonderful Life - 1986   2016 年 1 月,不慮の事故によってこの世を去ったブラックことコリン・ヴァーンコムの代名詞とも言える 1 曲。   元々は同名の 1st アルバム からのリード・シングルとして 1...
Michael Jackson - Man in the Mirror - 1988
 
以前,このブログでも述べたことがあるが,プリンスマドンナ,あるいはスティーヴィー・ワンダーといった面々と並んで,8th アルバム Dangerous までのマイケル・ジャクソンは僕が最もリスペクトする(これまで彼の楽曲を取り上げていなかったというのは我ながら驚きなのだが)アーティストの1人だ。
 
Man in the Mirror は実に9曲のシングルと5曲の全米No.1ヒットを生んだ80年代屈指のモンスター・アルバム Bad からの 4th シングル。その歴史的傑作 Bad の中では僕が最も好きな1曲で,この曲を彼のベストに挙げるファンも多い。
 
鏡に映っているそいつから始めるんだ/そいつを変えていかなくちゃならない/
ここまで明確なメッセージを感じたことはなかった/世界をより良いものにしたいと願うなら/
まずは君自身を見つめ直して/そして/変えていくんだ…
 
楽曲そのものはマイケルではなくシェーダー・ギャレットとグレン・バラードが手掛けたものだが,美しいメロディと2015年に他界した「現代ゴスペル・ミュージックの父」アンドレ・クラウチやザ・ワイナンズをフィーチャーした鮮やかなコーラスと共に真摯なメッセージがダイレクトに胸を打つ。
 
今すぐ始めなくちゃならない/もう時間はないんだ/君の/君の心を閉ざしちゃいけない…!
 
特に終盤に聴かれるマイケルの鬼気迫るパフォーマンスは圧巻。
 
とかく人種差別といった問題と絡められがちな点には個人的には違和感を覚えるが(シェーダーとグレンの思惑がどうあったにせよ,マイケル自身はもっとグローバルな視点だったはずだと僕は思っているから)いずれにせよ,キャリア屈指の名曲と言って差し支えないだろう。
 
余談だが,このシングルのスリーヴ裏面に記載されていた“Dedicated to Yoshiaki Hagiwara. May such a terrible thing never happen again. I will always love you. Michael Jackson.”は,1987年に高崎市で発生し,その後2002年に未解決のまま時効となった誘拐殺人事件の犠牲者である荻原功明ちゃんに捧げられたものだ。
 
 
 

Man in the Mirror

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Michael Jackson - Man in the Mirror - 1988   以前,このブログでも述べたことがあるが, プリンス や マドンナ ,あるいはスティーヴィー・ワンダーといった面々と並んで, 8th アルバム Dangerous までのマイ...
Morrissey - I Am Not a Dog on a Chain - 2020
#3 Bobby, Don't You Think They Know?
 
先頃,モリッシーの 13th アルバム I Am Not a Dog on a Chain3月リリースが正式アナウンスされ,リード・シングル Bobby, Don't You Think They Know? が先行公開された。公式サイト Morrissey Central では既に「僕の最高傑作だよ。現実だとはとても思えないほどに素晴らしいアルバムで…優れたアルバムだと見なされるにはあまりに誠実なアルバムだね」というモリッシー自身の言葉が紹介されている。
 
前作 California Son に続いてジョー・チッカレリがプロデュースを担当した新作への期待は否が応にも高まるわけだが,リード・シングル Bobby, Don't You Think They Know? がまた出色の出来。
 
ボビー/みんな知ってるんだとは思わないかい…?/
ああ…/ボビー/みんな知らないはずがないとは思わないかい…?/
知らないふりをするのにも/そろそろ疲れてはいないかい…?
 
やや抽象的なリリックは僕には理解し難い部分もあるものの,これまでにはなかったファンキーなサウンド・デザインにまず驚き。大々的にフィーチャーされたモータウンのレジェンド,テルマ・ヒューストンのパワフルな歌唱との驚異的な調和を聴かせるモリッシーのヴォーカリゼーションももはや円熟の境地と言える。公開直後にNMEのジョーダン・バセットがこの曲を“a sort of mad gothic electro stomper”と評しているが,なるほど,バックのロジャー・マニング Jr. とボズ・ブーラーの功績も大きいと言えるか。
 
特にテルマとモリッシーによる終盤の盛り上がりは必聴。キャリアを重ねたモリッシーが到達した新境地だ。
 
 
 


City High - What Would You Do? - 2001
 
N.W.A. 絡みで(ドクター・ドレーの The Next Episode をサンプリングしているというだけの話なのだが)もう1曲,僕の大好きな R&BHip Hop ソングを取り上げよう。
 
元々はエディ・マーフィーが主演した映画「ライフ(1999年・米)」のサウンドトラックに収録されていた1曲で,僅か4年という短い期間でその活動に終止符を打ったシティ・ハイが2001年にセルフ・タイトルを施してリリースした唯一のアルバム City High からのリード・シングルとなった。
 
軽快なトラックとは裏腹にその内容は極めて硬派なメッセージ・ソングで,性を売り物にして生計を立てるあるシングルマザーの現状を描きながら,メンバーがそれぞれのスタンスを明らかにしていくという構成。そして3人はリスナーに問い掛ける。「あなたならどうする?=What Would You Do?
 
サウンド的にはウェットで美しいサビのメロディとクラウデット・オーティッツのキュートな歌声がこの曲の肝だと言えそうだが,僕は終盤のフックに聴かれるライアン・トビー(ライアンはウーピー・ゴールドバーグ主演の映画「天使にラブ・ソングを21993年・米)」に出演,ソロでオクターブの歌声を披露し,1998年には全英最高3位,全米最高17位を記録して2,000万枚を売り上げたウィル・スミスの 5th シングル Miami を手掛けるなど,デビュー前からその才能を発揮していた)とロビー・パードロの掛け合いが大好き。
 
彼らの問いに対する僕の見解はここでは控えるが,いずれにせよ,2000年代初頭のブラック・ミュージック・シーン屈指の名曲だとは言えるだろう。
 
 
 

What Would You Do?

by on 17:00
City High - What Would You Do? - 2001   N.W.A. 絡みで(ドクター・ドレーの The Next Episode をサンプリングしているというだけの話なのだが)もう 1 曲,僕の大好きな R&B / Hip Ho...
Bone Thugs-N-Harmony feat. Phil Collins - Home - 2003
 
前回取り上げた Tha Crossroads のように僕の人生において大きな意義を持つといった楽曲ではないが,2002年の 5th アルバム Thug World Order からの 3rd シングルとなったこの曲もまた今なお僕の大のフェイヴァリット。
 
クレジットからもお分かりの通り,元ネタはフィーチャーされているフィル・コリンズのソロ一大出世作となった1984年の 3rd アルバム No Jacket Required からの 4th シングル Take Me Home。全米最高7位,全英最高19位止まりながら,この曲を彼のベストに挙げるファンも多いキャリア屈指の名曲だ。UK屈指のエンターテイナー,フィル・コリンズのソロ初期の人気曲という意外なチョイスもなかなかのセンスだが,卓越したラップ・スキルを駆使した流麗なユニゾンとハーモニーで唯一無二のボーン・サグス・スタイルにアレンジしてしまったメンバーの手腕も見事。
 
「キミらとMVの撮影をするってのはエキサイティングだとは思うけど,残念ながら僕は今,スイスにいるんだ」というフィルからのメッセージによって急遽ジュネーヴで撮影されたというMVも相当にクール。コーラスで参加しているフィル・コリンズもさすがの存在感だ。(余談だが,このシングル・リリース直前に素行不良によりグループを脱退したビジー・ボーンのパートはMVから除外されている。)
 
全英で最高19位,ニュージーランドで最高6位を記録した以外に目立ったヒットにならなかったのは意外と言えば意外な気もするが,全英トップ40入りを記念してボーン・サグスがフィル・コリンズを名誉メンバー「フィル・ボーン」とすることに決めたという微笑ましいエピソードも残されている。
 

 
 

Home

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Bone Thugs-N-Harmony feat. Phil Collins - Home - 2003   前回取り上げた Tha Crossroads のように僕の人生において大きな意義を持つといった楽曲ではないが, 2002 年の 5th アルバム Th...
Bone Thugs-N-Harmony - Tha Crossroads - 1996
 
 
彼らの数ある傑作シングルの中にあって僕が最も好きなのがこの曲。極めて個人的なある出来事によって人の生死について深く考えていた時期に聴き込んでいたということもあり,10選からは漏れているものの,今後「僕の人生を彩った私的名曲選」に間違いなく上位で追加されるであろう90年代ミッドウエスト・シーン屈指の名曲だ。
 
1995年の 2nd アルバム E. 1999 Eternal からの 3rd シングルということになってはいるが,実際にはアルバム・ヴァージョンとは全くの別物。彼らの友人のウォーリー・レアードに捧げられたアルバム・ヴァージョンが1995年にエイズの合併症によりこの世を去ったイージー・Eへの追悼曲としてリライトされてこのシングルとなった。
 
イージー・Eはアイス・キューブ,ドクター・ドレーと共に伝説的 Hip Hop グループ N.W.A. の創設メンバーとして知られ,グループ結成前にはドラッグの密売で生計を立てていたという筋金入りのギャングスタ・ラッパー。N.W.A. 解散後は自身が設立したルースレス・レコードの経営者,プロデューサーとしても活躍したが,前述の通り,1995年に31歳という若さでこの世を去った。
 
イージー・Eに見出されてルースレス・レコードと契約,世に送り出されたボーン・サグスがこのシングルで深い追悼の意を示したのも当然と言えば当然の話だが,メロディアスなラップでユニゾン,ハーモニーを奏でるという彼らの鮮烈なスタイルが一つの完成を見たのがこの曲だったと個人的には思っている。
 
いずれにせよ,全米8週連続No.1,全英でも最高8位にまで駆け上がったこのシングルが,生前のイージー・E2Pac,ノトーリアス・B.I.G.,ビッグ・パンと共にステージに立った唯一のグループである彼らの最高傑作と言って差し支えないだろう。MTV Video Music Awards にノミネートされた示唆に富むMVも感動的だ。
 

 
 

Tha Crossroads

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Bone Thugs-N-Harmony - Tha Crossroads - 1996     彼らの数ある傑作シングルの中にあって僕が最も好きなのがこの曲。極めて個人的なある出来事によって人の生死について深く考えていた時期に聴き込んでいたということもあり, ...
The Soup Dragons feat. Junior Reid - I'm Free - 1990
 
ザ・スープ・ドラゴンズが1990年にリリースした 3rd アルバム Lovegod からの 4th シングル。マッドチェスターの時流に乗って全英最高5位へと駆け上がり,バンド最大のヒット・シングルとなった。
 
オリジナルはミック・ジャガーとキース・リチャーズが手掛けたザ・ローリング・ストーンズの同名曲。1965年の 3rd アルバム Out of Our Head に収録され,アメリカではシングルとしてもリリースされた。(もっとも,僕がこれを知ったのは Lovegod のクレジットにミックとキースの名を発見してからのこと。「よくもUKロックを語れるな!」などと怒られそうな気がしないでもないが,実のところ,僕はビートルズもストーンズも積極的には聴かないし,したがって耳にしたことのある曲は多いという程度。)
 
本ブログでも何度か述べているように,僕自身はオリジナルに忠実なカヴァーというものにはかなり懐疑的な立場にあるわけだが,このカヴァーは何度聴いても素晴らしい。
 
リアルタイムでマッドチェスターの洗礼を受けていた僕がこの手のサウンドに喰いつくというのも当然と言えば当然の話だが,(プライマル・スクリーム・フォロワーという批判もあったにせよ)アシッド・ハウスのエッセンスを加えながらストーンズのシンプルなオリジナルをサイケデリックでダンサブルなマンチェ・サウンドへと大胆に昇華させた彼らのセンスは見事と言うほかない。
 
1987年にブラック・ウフルを脱退したレゲエ界の至宝,ジュニア・リードがUKチャートに復帰を果たしたシングルとしても特筆すべき1曲だろう。
 
余談だが,実は Lovegod の初回プレスにこの曲は収録されておらず,同年の再リリースに際して初収録,シングル化された。ひょっとすると日の目を見ることはなかったかもしれないと思うと少々笑えない話ではある。
 
 
 

I'm Free

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The Soup Dragons feat. Junior Reid - I'm Free - 1990   ザ・スープ・ドラゴンズが 1990 年にリリースした 3rd アルバム Lovegod からの 4th シングル。マッドチェスターの時流に乗っ...
The Smiths - The Queen Is Dead - 1986
♯2 Frankly, Mr. Shankly
 
歴史的傑作 The Queen Is Dead 収録曲。軽快なトラックに乗せて曲中の主人公が彼の雇い主と思しきミスター・シャンクリーをひたすらディスるというこの曲のリリックには,モリッシー一流の捻くれたセンスが光る。
 
僕の拙い和訳をご覧いただきながら進めよう。
 
率直に言います/シャンクリーさん/食べてはいけますが/僕の魂が腐ってしまうんです/
辞めさせてもらいたいんです/僕が辞めても惜しくないでしょうし/僕は音楽史に名を残したいんです
 
率直に言います/シャンクリーさん/僕の精神は病的なまでに衰弱しているんです/
僕の首筋には/21世紀を告げる新しい風が吹いているんです/
すぐに始めなくてはいけません/あなたなら分かるでしょう?/僕は音楽史に名を残しいたいんです
 
名声/名声/途方もない名声/名声が欲しくておかしくなっているのかもしれません/
でも/善人だとか聖人だとかになるより/とにかく有名になりたいんです/いつだって/いつだって
 
後述するが,この後,ひたすら罵声を浴びせられることになる「ミスター・シャンクリー」には実はモデルが存在しているわけだが,その直前,不意に挿入される主人公の独白がまた凄まじい。
 
でも/時々/とても満たされていると感じることもあるんです/心を病んだ友人たちと/
クリスマス・カードを作っている/そんな時なんですけど/僕は生きたい/僕は愛したい/
思わず恥ずかしくなってしまう/僕はそんなものを手に入れたいんです
 
「このまま働き続ける」よりも「心を病んだ友人たちとクリスマス・カードを作る」方が遥かに自分の心を満たしてくれるという何とも強烈な一節。こんなリリックが書けるのはモリッシーをおいて他には考えられまい。
 
続けよう。
 
率直に言います/シャンクリーさん/食べてはいけますが/僕の魂が腐ってしまうんです/
ええ?/あなたも詩を書いていらっしゃるだなんて/僕は気づきもしませんでした/
あなたが/そんなクソみたいに悲惨な詩を書いていらっしゃるだなんて/シャンクリーさん
 
お尋ねになるのなら/率直に言います/シャンクリーさん/あなたの存在は/
便秘で尻に溜まったガスのように不快なんです/失礼な言い方はしたくありません/
でも/率直に言わせていただきます/シャンクリーさん/ああ/あなたのお金を僕らにください
 
結局は「金をくれ」という身も蓋もない要求と共にこの曲はラスト迎えるわけだが,「ミスター・シャンクリー」のモデルがジェフ・トラヴィスと知れば,この皮肉たっぷりの罵倒にも思わず膝を叩かずにはいられない。
 
ジェフ・トラヴィスはザ・スミスが契約していた英インディ・レーベル,ラフ・トレードの創始者。1st アルバム The Smiths のリリース以降,ほぼザ・スミスがレーベルの財政を支えており,事実,バンド解散後の1991年にラフ・トレードは破産。2000年まで活動休止を余儀なくされている。
 
レーベルを支えているという自負とバンドに対する待遇への不満がこの曲のリリックの根底にあったというわけだが,それにしても,これだけポップに毒を吐いてのけるというのは,まさに奇跡とも言えるモリッシーとジョニー・マーのコンビネーションの妙。痛快と言えば痛快極まりないザ・スミスならではの1曲と言えるだろう。
 
 
 

Frankly, Mr. Shankly

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The Smiths - The Queen Is Dead - 1986 ♯2 Frankly, Mr. Shankly   歴史的傑作 The Queen Is Dead 収録曲。軽快なトラックに乗せて曲中の主人公が彼の雇い主と思しきミスター・シャンクリー...
Morrissey - World Peace Is None of Your Business - 2014
♯8 Kiss Me a Lot
 
2014年の 10th アルバム World Peace Is None of Your Business からの 5th シングル。
 
モリッシーと米レーベル・ハーヴェストとの確執はファンの間ではよく知られている話だが,4th シングルとなった The Bullfighter Dies 同様に,このシングルもまた,スティーヴ・バーネットの強硬な態度によってデジタル配信のみでのリリースとなった。
 
バスティーユ監獄でも/家畜小屋でも/教会の墓地でも/君の家の裏庭だろうと/
僕は/時間も場所も気にしない/僕が気にするのは/君がそこにいて/
たくさんキスをしてくれるのか/僕の顔中に/体中に/たくさんキスをしてくれるのか/
一通りキスが終わってから/また体中にキスをしてくれるのか/それだけさ…
 
「何時,何処だろうと構わない」というこの曲のリリックのロマンティックな件は,後半,曲中の主人公の歪んだ願望への唐突な変貌を見せるわけだが,この半ば狂気とも言える願望の反復だけ(実際に上記がこのシングルの全リリックである)で1曲を成立させられるアーティストなど,モリッシーをおいて他には考えられまい。
 
 
モリッシー自身,World Peace Is None of Your Business のプロモーションをサポートするMVへの投資を渋ったこともハーヴェストとの確執の要因の1つだったと述べているが,モリッシーの甥でかつて SuedeheadMVに登場したことでも知られる写真家のサム・エスティ・レイナーが監督を務めたこの曲のオフィシャルMVは,2015年に独自に公開されたものである。
 
 

Kiss Me a Lot

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Morrissey - World Peace Is None of Your Business - 2014 ♯8 Kiss Me a Lot   2014 年の 10th アルバム World Peace Is None of Your Business ...
さて,早いもので本日で2019年も終わり。今年最後の投稿には少々プライヴェートが絡む。
 
僕の人生の一場面,その喜怒哀楽に寄り添う楽曲の数々を取り上げるという本ブログの性質上,極力私事は避けながら記事の更新を続けているわけだが,この1年を振り返るにあたっては,愛息・美音,愛娘・愛音の健やかな成長と共に,やはり1歳下の妹の早過ぎる死に触れぬわけにはいくまい。
 
4月に起きた凄惨な事件と妹の死。
 
特に思春期には啀み合ってばかりの兄妹だったが,それでも僕にとってはたった一人の妹。幼少の頃,どこへ行くにも僕の後を追ってきた彼女の姿が今でも鮮明に思い出される。
 
わが子の成長に目を細める父親の喜び。妹の突然の死を悼む兄の悲痛な思い…。対照的と言うにはあまりに対照的な出来事を同時に経験することとなった僕の2019年を,宇多田ヒカルが「『Fantôme』 のメイン・テーマ」と語るこの曲で締め括ろう。
 
宇多田ヒカル - Fantôme - 2016
♯1 道
 
宇多田が亡き母に捧げた 6th アルバム Fantôme からの先行配信シングル。フランス語で「幻」や「気配」を意味する Fantôme には「母の存在を『気配』として感じられればそれでいい」という宇多田の想いが込められているそうだが,オープニングを飾るこの曲は,前述の通り,宇多田自身がその Fantôme のメイン・テーマと位置付けている1曲。
 
本人が出演しているサントリーのテレビCMでお馴染みの1曲でもあるが,珍しく打ち込み主体の心地よいトラックにやや擦れた宇多田の声色がジャストフィット。愛する人を失った心の痛みと,しかし同時にそれでも前へ踏み出そうとする美しい決意をも感じさせる,まさに至高のポップ・ナンバーだ。
 
春になると見事な花を咲かせる桜の木の下で母と共に眠る妹にこの曲を。愛を込めて。
 
 
 

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さて,早いもので本日で 2019 年も終わり。今年最後の投稿には少々プライヴェートが絡む。   僕の人生の一場面,その喜怒哀楽に寄り添う楽曲の数々を取り上げるという本ブログの性質上,極力私事は避けながら記事の更新を続けているわけだが,この 1 年を振り返るにあたっては,...
僕のお気に入りのサイトの1つに☆おすすめ名曲ランキング☆「音楽鑑賞サブノート」があるが,前身の「無人島の1枚を探すブログ」時代から管理人であるおとましぐら氏の豊富な知識と含蓄あるレヴューには感心頻り。サイトのリニューアルに際して新たに加えられたランキング形式のレヴューと共に記事の更新を楽しみにしているわけだが,とりわけ強く僕を惹きつけたのが「私の『無人島の一枚』の候補となる極私的名曲10選」という20191222日の記事。
 
記事中,氏の人生における最重要曲10曲が選ばれているが,リストは随時追加予定で,最終的には100曲程度に絞り込む意向だという。「人生における最重要曲を選ぶ」というそのコンセプトはもちろん,リストを追加しながら最終形を目指すというスタイルもまさに「これはパクるしかない!我が意を得たり!」といったところ。
 
ここは早速,氏のコンセプトをパクって参考にさせていただき,僕も「僕の人生における最重要曲」のリスト化に着手しようと思う。厚かましくも,随時リストを追加していくという氏の手法もしっかりパクって取り入れさせていただいて,長い時間を掛けながら記事の完成を目指していくこととする。(なお,リストの追加に際してタイトルは更新,当初の順位は変動の可能性もあるものとする。)
 
1
Morrissey - Interesting Drug - 1989


面白そうな薬だね。君が取り出したその薬。本当のところを教えてほしいな。それは本当に君の助けになるの?面白そうだとは思うよ,その薬。でも,本当にそれで君は救われるの?

多感な思春期。どう足掻いても結局這い上がることはできないというこの曲の辛辣なメッセージは,ステファン・ストリートが手掛けたポップなトラック,モリッシーの伸びやかなヴォーカルと共に,僕のその後の人生観を決定づけたとも言えるほどの強烈なインパクトで僕の心を揺さぶった。
 
お気づきの読者も多いと思われるが本ブログのタイトルはこの曲から拝借したもの。
スタジオ・アルバム未収録

2
Bright Eyes - At the Bottom of Everything - 2005


女性は飛行機の中。婚約者に会いに行く途中で,この惑星の大海原の上空を飛んでいる。彼女は隣の男性に話し掛けようとしたが,男性がブラッディ・メアリーをオーダーする声を聞いただけ。彼女は座って本を読んでいるが,その本には彼女が発音もできないような第三世界のある国について書かれており,彼女はすっかり退屈してしまっている。

すると突然,機械が故障してエンジンの1つがダメになってしまった。そして彼女たちは30,000フィート上空から下降を始めた。パイロットはマイクに向かって言った。「申し訳ありません。申し訳ありません。ああ,何てことだ。」

パイロットの謝罪が続く中,彼女は隣の男性に訊ねた。「私たちはどこへ向かっているの?」「パーティーですよ。そう,誕生日パーティー。それも,君の誕生日パーティーだ。お誕生日おめでとう,お嬢さん!We all love you very, very, very, very, very, very, very much!!!

そして彼はハミングを始めた。こんな感じで。さあ,聴いて…。

30,000フィート上空の機内で繰り広げられる印象的なモノローグとリズミカルなストロークに彩られた本編とのあまりに残酷な対比で,唐突に訪れる死までの一瞬を鮮やかに切り取った1曲。

6th アルバム I'm Wide Awake, It's Morning 収録

3
The Smiths - Still Ill - 1984


鉄橋の下で僕らはキスをしたんだ。唇が腫れ上がってお終いだったんだけどね。もう,僕が以前のように感じることはないんだよ。畜生!あの頃とは何もかもが違ってしまっているんだから。ああ,僕は病んでいるのか…?ああ,僕は…まだ…病んでいるのか…?

冴え渡るモリッシーの詞作とあまりにも煌びやかなジョニー・マーのギター。儚くも美しい321秒の奇跡。

1st アルバム The Smiths 収録

4
The Stone Roses - Elephant Stone - 1988


UKロック史上最強のリズム隊,レニ&マニの強烈なビートとジョン・スクワイアのサイケデリックなギターが織り成す凄まじい陶酔感で90年代型UKギター・ロックのあるべき姿を示したまさに革命的シングル。

後に世界を席巻するマッドチェスター・ムーヴメントの引き金となり,その後の僕の音楽的嗜好に大きな変化をもたらした1曲でもある。僕にこれほどまでに鮮烈なインパクトを与えられるのは,後にも先にもこの曲だけだろう。

1st アルバム The Stone Roses 収録

5
Depeche Mode - Blasphemous Rumours - 1984


16歳の少女のある夏の物語。自殺を図って一命を取り留めるも,キリスト教に目覚めた途端に交通事故で命を落とすという彼女の皮肉な運命を綴った後,不相応なまでにポップなサビのメロディに乗せて語り部は神に毒づく。

冒涜するわけじゃないが,神は悪い冗談がお好きなようだ。俺が死んでもきっと主はお笑いになるんだろう…。

思春期の僕を強烈にインスパイアした1曲だ。
4th アルバム Some Great Reward 収録

6
Prince and The Revolution - Kiss - 1986


フェイヴァリットでなくリスペクトという視点に立てば,間違いなく僕にとって最も大きな存在となるのは僕が今なお「ポップ,ロック史上最高の天才にして最大の怪物」と信じて疑わないプリンスということになる。

40年近くにも及ぶその長いキャリアの中で彼が残した膨大な楽曲群からベストを選ぶことなどそもそも無理な話ではあるが,贅肉を徹底的に削ぎ落としたシンプルかつタイトなトラックが表情豊かに驚くべきグルーヴを醸すこのミネアポリス・ファンクの逸品は,まさに天才・プリンスの真骨頂と言えるだろう。
8th アルバム Parade 収録
 
7
Ben Watt - North Marine Drive - 1983
 
 
ザ・スミスという規格外の例外を除けば,ポストパンク期の金字塔とも言える不朽の名曲。

ベン・ワットの精巧なフィンガー・ピッキングのみを拠りどころとした極めてシンプルなこの叙情詩は,それ故,強烈な哀感を湛えてリスナーの胸を打つ。
1st アルバム North Marine Drive 収録
 
8
Tears for Fears - Everybody Wants to Rule the World - 1985


「この曲のコンセプトは極めてシリアスなものだよ。誰もが欲しがる富と権力,それが如何に悲惨なものであるかを歌っているんだ(カート・スミス)」

楽曲自体はローランド・オーザバルのペンによるもの。哲学的でやや難解なリリックが持つメッセージ性も然ることながら,トラック,リズム,メロディ,楽曲構成,どれを取っても非の打ち所がない奇跡的な完成度。今なお,僕がオール・タイム,オール・ジャンルで最も好きな楽曲の1つだ。
2nd アルバム Songs from the Big Chair 収録

9
WHAM! - Freedom - 1984


ドーナツ盤が擦り切れるほど聴き込んだ1曲だが,少年期の僕が所謂ポップ・ミュージックに開眼する契機となったという点で,僕の人生においてこの曲が持つ意義は大きい。

UKが世界に誇るジーニアス・スーパースター,ジョージ・マイケルのその後の活躍を考えればまだまだ稚拙さが残るものの,この曲に溢れるポップ・センスはその大器の片鱗を存分に見せつけていたと言えよう。

2nd アルバム Make It Big 収録

10
Suede - Animal Nitrate - 1993


僕に凄まじい衝撃を与えたのは,ブリットポップ屈指の名曲であるこのシングルの良し悪しではなく,ブレット・アンダーソンをして「歌わないシンガー」と言わしめたギタリスト,バーナード・バトラーの官能的なプレイ。何とも甘美で退廃的,どこまでもグラマラスに絡みつく彼のプレイは,それまでカッティングに偏重していた僕の嗜好に大きな影響を与えた。

このシングルのリリース以降,ジョニー・マー,ジョン・スクワイア,そしてバーナード・バトラーが僕にとっての3大ギタリストということになっている。
1st アルバム Suede 収録
 
11
The Killers - Bling (Confession of a King) - 2006
 
 
記事本編にも書いたことだが,2006年当時は公私共に大きな問題を抱えていた時期。体力的にも精神的にも疲労のピークに達していたその時期,彼らの仰々しいサウンド・デザインが際立つこの曲はダイレクトに僕の胸を打った。
 
高く,高く。僕らは辿り着けるさ。しがみつくんだ。僕らならできる。乗り越えられる。高く,高く…。
 
とりわけ,予想外にエモーショナルな盛り上がりと共に発せられる終盤の力強いエールは,疲弊していた僕に大きな勇気をくれた。
 
そこまで難しいことではないんだ。僕がつかんだものが黄金のような輝きを放ち始めたその時,きっと君はまた僕を思い出すはずさ。
 
何度繰り返しても涙が溢れてくる。音楽に救われるというのはこういうことなのだろう。
1st アルバム Sam's Town 収録
 
12
Bone Thugs-N-Harmony - Tha Crossroads - 1996
 
 
1995年,エイズの合併症により31歳という若さでこの世を去ったイージー・Eに捧げられた1曲。
 
個人的なある事情から人の生死について深く考えていた時期に聴き込んでいたということもあり,流麗なラップでユニゾン,ハーモニーを奏でるという彼らの鮮烈なスタイルと示唆に富むMVが印象的なこの追悼歌は僕の心に深く刻まれることとなった。 
スタジオ・アルバム未収録
 
 
 

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Steady&Co. - CHAMBERS - 2001
♯11 Only Holy Story feat. azumi from Wyolica
 
Dragon Ash の降谷建志と BOTSRIP SLYMEILMARI,スケボーキングの SHIGEO によって結成された4人組ユニット Steady&Co.2001年にリリースした唯一のアルバム CHAMBERS 収録曲。その CHAMBERS のリリース以降,僕にとってクリスマス・シーズンの定番と言えば後に12インチのビニール盤でのみリカットされたこの曲だ。僕はこの頃の kj のリリック,特に彼独特の韻の踏み方が大好き。
 
車窓から歩くキミを誘うから/雑踏から抜け出し誘うから
乗り込み2人ベンチシート/眺める景色/紐解く恋愛のレシピ
片寄合い深く腰掛け/サンルーフ覗けば流れ星だね
カーステの調べ/パワステとシガーで/音に乗り街はBirthdayを知らせ
揺れ動く観覧車/ライト乱反射/映し出す Baby my sunshine
その真心はどこの男のトコでもなく/俺の所
そう願って交わす口づけ/外は不意に白い雪降りつけ
車内はえらくsmoky/こんなイヴの日に描くstory
だからもう少し鐘の音が/響くまでそれまでお願い
すぐ側でその笑顔を見たい/そう願い/粉雪よ Hold me tight...
 
おそらくは kj の手によると思われるこの 1st verse のリリックに聴かれる凄まじいライムには,批判もあれど,彼の才気が存分に発揮されていると言えよう。如何にもクリスマス然とした azumi の歌声,スキルフルな ILMARISHIGEO のラップもそれだけ聴けば十分なクオリティだと言えそうだが,そのパフォーマンスも含めてやはり kj は別格。
 
個人的にはクリスマス・シーズンのベストと言っても差し支えない1曲だとすら思っているのだが,あろうことか,今の若者の多くはこの名曲を知らないという…。
 
CHAMBERS のリリースから間もなく20年… なるほど,僕も歳をとるわけだ…(苦笑)
 
 
 

Only Holy Story

by on 0:00
Steady&Co. - CHAMBERS - 2001 ♯11 Only Holy Story feat. azumi from Wyolica   Dragon Ash の降谷建志と BOTS , RIP SLYME の ILMARI ,スケボー...