世界を止めて

THE COLLECTORS - 世界を止めて - 1993
 
1986年の結成以来,the pillows,スピッツ,GOING UNDER GROUND,奥田民生ら多くのバンド,ミュージシャンと親交を深めながら今なお現役で活動を続けるザ・コレクターズが1993年にリリースした 3rd シングル。オリコン最高90位とチャート・アクションには全く恵まれなかったものの,このバンドの長い歴史にあって現在のところ歴代2位のセールスを記録している。
 
スウェードの Animal Nitrate がリリースされたのが1993年。マッドチェスター~ブリットポップに傾倒していた僕に当時の彼女が勧めてきたのがこのシングルだったわけだが,モッズ・スタイルを堅持するバンドのアティテュードと如何にもUK然としたこの曲のサウンド・デザインに僕が惹かれたというのも当然と言えば当然だった。(僕の華麗なる恋愛遍歴,あるいは昼ドラも真っ青の愛憎劇と逃避行についてはまたいずれ記すことにしよう。)
 
遠い空 星が流れ / 届かぬ 願い祈って/
あてのない約束して / いつまでも夢を見て
 
どうにかなりそうさこの恋が / 君を泣かせてる
だから ひととき ほんのひととき / そうさひととき ほんの少し
 
神様 涙止めて / このまま眠らせて ずっと ずっと
神様 世界止めて / 二人を消さないで ずっと ずっと / Oh, baby...
 
「『世界を止めて』がリリースされてからというもの,結局は『世界を止めて』を超えるラヴ・ソングみたいなものをずっと期待されるようになってしまって…(加藤ひさし)」
 
ザ・コレクターズのほぼ全ての楽曲の作詞・作曲を手掛ける加藤はこう語ってはいるものの,恋愛の真っ只中にある曲中の主人公の心情を見事に描写したリリックといい,前述の通り多分にUKシーンからの影響を感じさせるメロディといい,この秀逸極まりないラヴ・ソングが彼らのキャリア屈指の名曲であることに議論の余地はないだろう。
 
2016年にはバンド結成30周年記念盤として「青春の7インチ・レコード。俺の青春がたっぷり詰まっています」という加藤の言葉を添えた初回生産限定の7インチ・アナログ盤がリリースされている。
 
 
 


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