Imitation of Life

R.E.M. - Imitation of Life - 2001
 
2001年にリリースされた R.E.M.12th アルバム Reveal からのリード・シングル。全米では彼らのスタジオ・アルバムからのリード・シングルとしては過去最低の最高83位と記録的な大惨敗を喫したものの,全英最高6位,ベルギーで最高7位,ノルウェーで最高4位,イタリアとスペインで最高3位,ポーランドでは見事No.1に輝くなどヨーロッパ圏では大きなヒットを記録した。
 
Losing My ReligionShiny Happy PeopleDriveMan on the Moon など,僕自身はやはり彼らの黄金期とも言える90年代前半のシングルに馴染みが深いが,バンドのベストには敢えてこの曲を挙げたい。
 
楽曲そのものの良さも然ることながら,僕はこの曲のサビのリリック(正確に言えばこの部分のリリックが持つ響き)が大好き。(もっとも,彼らの楽曲の多くがそうであるようにこの曲のリリックもまた非常に難解で僕にも完全には理解できないというのが正直なところではあるが,語感を優先する彼らのリリックには特に深い意味を持たないものもまた散見される。)
 
サトウキビは甘くて美味しく/それはシナモン/それはハリウッド/
大丈夫/ほんとの君は誰にも見えないさ
 
僕の名誉のために述べておくが,これは2007年に中央公論新社から刊行された「村上ソングズ」にある村上春樹によるサビの和訳。訳の酷さを差し引いてもやはりその真意はなかなかつかみ難いものがあるが,That's sugarcane that tasted good という件の響きが何とも言えぬ魅力を湛えて僕の胸を打つ。
 
加えてローリング・ストーン誌の R.E.M.'s 15 Greatest Music Videos にも名を連ねるこの曲のMVもまた実に魅力的。何とも手の込んだ映像のように思われるこのMV,実は僅か20秒間という短い映像をループさせることで仕上げられたものなんだとか。これもスパイク・ジョーンズ監督の映画「マルコヴィッチの穴(1999年・米)」の制作陣にもクレジットされているマイケル・スタイプの本領発揮といったところか。
 
 
 

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