Hard to Beat
Hard-Fi - Hard to Beat - 2005
タクシー会社の倉庫を改装したスタジオで僅か300ポンドという低予算でレコーディングされたハード・ファイの 1st アルバム Stars of CCTV からの 3rd シングル。最高9位と全英ではバンド初のトップ10ヒットとなったほか,ビルボードの Modern Rock Tracks チャートでも最高34位を記録してアメリカ進出の足掛かりとなった。
レベル・ミュージックとでも言えばいいのか,ワーキング・クラスの悲哀や反骨精神が色濃く影を落としたリリックの数々から殊更ワーキング・クラスのスポークスマンといった側面が強調されがちなハード・ファイだが,そのリリックを抜きにしてもタイトなバンド・サウンドにダブやスカをミックスしたエレクトロニック・ミュージックの要素を効果的に配したダンサブルなサウンド・デザインは僕の嗜好にジャスト・フィット。
とりわけ,リチャード・アーチャーの類稀なる作曲センスが光るこの曲に聴かれる淀みない音運びは僕の大好物だ。
「Hard to Beat はクレイジーな曲だ。僕は昨日ブリストルにいたんだ。きっと最後まで声がもたないだろうなんて考えながらね。でも,オーディエンスが僕の代わりに歌ってくれて全てがうまく収まったんだ。正直,演奏していて楽しいのは Unnecessary Trouble だし,最高にエネルギッシュなのは Living for the Weekend だと思っていたんだけど,昨夜のあの瞬間から Hard to Beat が僕らのベストになったんだ(リチャード・アーチャー)」
リチャードがこう語るように,ライヴでは今なおオーディエンスの熱狂を引き起こす1曲。2000年代のUKロック・シーンにその名を刻むワーキング・クラスの一大アンセムと言って差し支えないだろう。
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