Animal Nitrate

Suede - Animal Nitrate - 1993

セルフ・タイトルを施してリリースされた1992年の 1st アルバム Suede からの 3rd シングル。全英最高7位とバンド初のトップ10ヒットとなったことからインディ・バンドとしては異例の Brit Awards 出演が決定。ステージで披露されたこの曲におけるブレット・アンダーソンの過激なパフォーマンスは各方面から大きな反響を呼んだ。

ある種の風格すら漂わせるブレットのパフォーマンスも然ることながら,当時まだ22歳だったバーナード・バトラーのギターの音色は僕にとっては凄まじい衝撃だった。何とも甘美で退廃的,どこまでもグラマラスに絡みつく彼のプレイはブレットをして「歌わないシンガー」と言わしめるわけだが,とかくカッティングに偏重していた僕のその後の嗜好に重大な転換をもたらしたという点においてこの曲が僕の人生において持つ意義は大きい。

そう/奴は言った/「俺のベッドにご招待する」/そして/あの吐き気を催すほどの笑顔/
破壊された家庭で/虐待され続けた君/そして/君は今それを反芻する/
何度も何度も/奴が死んでくれて/全身が震えるほど嬉しいんだろう?/
悪魔が消えた今/君は何に耽溺するつもりなんだい…?
 
近親姦を連想させる過激なリリックも話題となったシングルだが,バーナードの艶めかしいプレイがあればこそこのセンセーショナルな1曲はもはや感動的とも言えるほどの魅力を湛えていると言えるだろう。
 
このシングルのリリースを境にジョニー・マー,ジョン・スクワイア,バーナード・バトラーが僕にとっての3大ギタリストということになるわけだが,ブレット・アンダーソンのセクシーなヴォーカリゼーションとバーナード・バトラーの重厚なギターという2つの個性が引き起こすこの強烈なケミストリーこそが僕にとってのスウェードだった。
 
 
 

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