Flathead

The Fratellis - Flathead - 2007
 
グラスゴー出身の3人組,ザ・フラテリスが2006年にリリースした 1st アルバム Costello Music からの 4th シングル。全英最高67位,全米最高73位とチャート・アクションこそ低迷したものの,デビュー直後ながら iPod&iTunesCMソングに抜擢されたことでその後のバンドの大ブレイクのきっかけとなった1曲だ。
 
直訳すると Flathead は「バカ」や「間抜け」といったところ。なぜか「気取りやフラッツ」というよくわからない邦題でリリースされたここ日本でも前述のテレビCMが大きな話題となり,この曲を含む Costello Music は洋楽アルバムとしては異例の20万枚のセールスを記録。初来日となった2007年のサマーソニックでは超満員となったステージへの入場が規制される事態となった。
 
いや,しかし,改めて聴き返してみてもこのシングルはやはり強力。
 
如何にもガレージ・ロック然としたサウンド・デザインは必ずしも僕の嗜好にフィットしているとは言い難いが,タイトなリズムと凄まじいフックでここまでスタイリッシュにリスナーの身体を反応させてしまうロック・チューンというのもそうは見当たらない。とりわけ「Ba-da dop, da, da, da, da, da」と連呼するだけで全く意味のないこの曲のコーラス部分で放たれる強烈な中毒性は既にして彼らの凄まじいポテンシャルを示していたと言えそうだが,それも随所に散りばめられた彼らならではのセンスがあってこそ。小難しいことは考えず,こんなふうにノリだけで突っ走ってしまうご機嫌なダンス・ロックにただ身を委ねてみるというのもたまにはいいものかもしれない。
 
余談だが,ジョン,バリー,ミンスの3人に血のつながりはなく,全員がイタリア語で「兄弟」を意味するバリーの母の旧姓 Fratelli を名乗っているんだとか。3年間の充電期間を経て2013年から活動を再開しているが,これまでのところこのキラー・チューンが僕のベストということになっている。
 
 
 

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