I Want It All

Eve's Plum - I Want It All - 1994
 
80年代後半から子役として活躍し,2000年代になってからはポップ・シンガー,ヴァイタミンCとして SmileThe Itch といったスマッシュ・ヒットを放ったコリーン・フィッツパトリックが在籍していたのが1991年にニューヨークで結成されたイヴズ・プラム。1995年まで3枚のアルバムと7枚のシングルをリリースするも大きな話題となることなくいつの間にかひっそりと消えていった(僕自身,ヴァイタミンCとイヴズ・プラムの紅一点・コリーンが実は同一人物だったと知ったのはずいぶん後になってからのこと)そのイヴズ・プラムの唯一のヒットと言えるのが1993年の 1st アルバム Envy からの 3rd シングルとなったこの曲だ。
 
唯一の「ヒット」とは言ってもシングル・リリース当初は全く注目されず,映画シリーズ Karate Kid の第4部にあたる The Next Karate Kid で使用されたことで脚光を浴び,米 Modern Rock Tracks チャートでようやく最高30位を記録したという程度。(Karate Kid シリーズはここ日本では「ベスト・キッド」として知られているが,これも初作が辛うじて大人の鑑賞に堪え得るという程度で他は世紀の駄作,時間の無駄であると断言しておこう。)
 
それでなくとも必ずしも僕の嗜好にフィットしているとは言えないUSオルタナ勢,このマニアックなシングルになぜ僕が辿り着いたのかというと…。ちょうどこのシングルがリリースされた1994年,当時の彼女(話がややこしくなるが,一応断っておくと元嫁ではない)と足を運んだブリットポップのフィルム・コンサート。ブラーの Girls & Boys やオアシスの Supersonic,あるいはスウェードの Animal Nitrate といったマッドチェスター後のUKロック・シーンを担う若手バンドのMVが次々と流される中,どさくさに紛れて上映されたこの曲のMVに聴かれるコリーンのシャウト気味の振り切れたヴォーカリゼーション,そしてラウドなサウンド・デザインの中で突如挿入されるポップなフレーズに何となく心惹かれてしまったというわけだ…(笑)
 
いずれにせよ,僕にとっては思い出深い1曲。こんなフェイヴァリットがあるというのも悪い話ではないだろう。
 
 
 

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