Eye No

このブログでも既に何度か述べていることだが,プリンスこそがポップ,ロック史上最高の天才にして最大の怪物であると僕は今なお信じて止まないし,「オール・タイム,オール・ジャンルで最も好きなアルバムは?」と問われれば,迷わず1988年の 10th アルバム Lovesexy を挙げる。(これまた既に述べていることではあるが)とりわけ,オープニングから Eye No Alphabet St. Glam Slam と続く3曲の凄まじいクオリティはそれだけで凡百のアルバムに匹敵する価値があると個人的には思っている。

Prince - Lovesexy - 1988
♯1 Eye No
 
今日は過去に取り上げた Alphabet St.Glam Slam と共にその奇跡の3曲の一角を担うこの曲。シングル・リリースこそされていないものの,歴史的傑作 Lovesexy のオープニングを華々しく飾る1曲だ。
 
元々は1986年にリリースが予定されていた 9th アルバム Crystal Ball 用にレコーディングされていた The Ball がこの曲の原型。後に 12th アルバム Graffiti Bridge に収録された Joy in Repetition とセットで Crystal Ball に収録が予定されていたものの結局 Crystal Ball はお蔵入り。代わってリリースされた Sign O' the Times からは除外されてしまったわけだが,1988年の Lovesexy リリースに際してトラックとリリックを刷新して新たにレコーディングされた The BallEye No として生まれ変わることとなった。(Crystal Ball1998年に3枚組の 20th アルバム とアコースティックによる新曲12曲の 21st アルバムの計4枚組という凄まじいヴォリュームのボックス・セットとしてリリースされている。)
 
ほぼ全ての楽器をプリンス一人で手掛けた Lovesexy にあって,ミコ・ウィーバー,Dr. フィンク,シーラ・E. などお馴染みのメンバーを従えて唯一フル・バンドでレコーディングされた1曲でもあるが,なるほど,徐々に厚みと派手さを増すトラックは何ともカラフルな仕上がり。如何にもライヴ映えしそうな圧巻のファンク・チューンと言えよう。
 
余談だが,The BallJoy in Repetition へと繋がるアイディアが Eye NoAlphabet St. にも用いられていると後にプリンス自身が語っているが,そもそも Lovesexy 自体が曲間のないワン・トラックというコンセプト・アルバムとしてリリースされていたようにも記憶しているのだが…。
 
まあ,彼のような天才が考えたことを完全に理解しようというのがそもそも無理な話ではあるか…(苦笑)
 
 
 

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