Beverly Hills

先月18日,プレイボーイ・エンタープライズが男性誌PLAYBOYの紙媒体による発行の終了を発表。オンライン版は継続されるとのことだが,店頭に並ぶ雑誌としては,プレイボーイ・マンションと呼ばれる豪邸で多くの女性と共に暮らすという独自の哲学に基づく何とも羨ましい特異なライフスタイルを貫いたヒュー・ヘフナーがノーマ・ジーン(後のマリリン・モンロー)をフィーチャーして完成させた1953年の創刊号から続く実に67年もの長きに渡るその歴史に幕を下ろすこととなる。
 
多感な思春期,guessLane Bryant などのモデルとしても名を馳せたアンナ・ニコル・スミスや近年は動物愛護にやや過剰な言動が目立つパメラ・アンダーソンをはじめとする歴代の華やかなプレイメイトたちにはずいぶんお世話になったものだが,1986年の Touch Me で一世を風靡したサマンサ・フォックスや(こちらは以前述べているが)Heaven Is a Place on Earth の世界的ヒットで知られるベリンダ・カーライルが後に誌上で見事な肢体を披露するなど,その隆盛やプレイメイト云々を抜きにしてもMTV世代の僕にとっては非常に馴染み深いブランドだったと言える。
 
今日はパワー・ポップ・シーンの重鎮として今なお圧倒的な存在感を放つウィーザーのこの曲を取り上げ,間もなくその偉大な歴史に一つの区切りを迎えるPLAYBOYに敬意を表したい。
 
Weezer - Beverly Hills - 2005
 
2005年にリリースされた 5th アルバム Make Believe からの 1st シングル。全英最高9位,全米最高10位を記録して彼らを初のグラミー・ノミネートに導いたこのシングルの好調なセールスが引き金となり Make Believe も全英最高11位,全米最高2位を記録するヒット・アルバムとなった。
 
タイトルのビバリーヒルズとはもちろんハリウッドセレブの豪邸が立ち並ぶロサンゼルスの高級住宅街のこと。リリックには生まれも育ちも決して良いとは言えない曲中の主人公がビバリーヒルズの裕福な生活をただただ羨む様子が綴られている。
 
あの映画スターたちを見てみなよ/容姿端麗/召し使いたちが床を掃除しても/
終わりは見えない/俺もあんなふうに暮らしてみたいもんだ/王様のようになってみたいね/
プールサイドの俺の写真を撮っておきなよ/次にあんなふうになるのは俺なんだから…
 
ビバリーヒルズ/俺も住んでみたいもんだ/ビバリーヒルズでの生活/
ビバリーヒルズ/セレブみたいに暮らしてみたいもんだ/ビバリーヒルズでの生活…
 
Times Higher Education による世界大学ランキング2020で第7位にランクされる名門ハーバード大学を卒業したインテリでもあるリヴァース・クオモが歌うというのは何となく嫌味というか皮肉なようにも感じられるが,羨むだけで結局は諦めてしまう主人公のどこか達観した姿は如何にもリヴァースらしいとは言えるだろう。
 
でも/実のところ/俺にはそんなチャンスは全くないんだろうね/
結局/生まれついて持ったものが必要なんだからさ/俺には関係のない話なのさ…
 
さて,ここから核心。197211月号が実に7,161,561部という驚異の売り上げを記録した稀代の娯楽誌PLAYBOYの終焉にあたってなぜ僕がこの曲をセレクトしたか…。それは…。この曲のMVが件のプレイボーイ・マンションを舞台に撮影され,2017年に他界したヒュー・ヘフナー本人とプレイメイトたちも登場しているというただそれだけの理由…(笑)
 
 
 

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