Walk Like a Man

美音の入学式。新型コロナウイルスが猛威を振るうこんな状況下ではあるが,美音の門出を祝うかのようによく晴れた気持ちのいい一日となった。
 
こうした節目を迎える度,時の経つのは本当に早いものだとつくづく思う。
 
母体の安全優先で行われた緊急手術の中,美音の命も救えるかもしれないと判断してくださった医師の先生。懸命に美音の命を守ってくださった医療スタッフのみなさん。そして何より,さまざまな機器に繋がれて身動きもできないままただひたすら忍び寄る死と闘い抜いた美音の生命力。多くの幸運にも恵まれて命を繋いだ美音がこうして立派に中学生としての一歩を踏み出す姿を眺めるのは父親である僕にとってはやはり何とも感慨深い。
 
さて,美音の健やかな成長を願いつつ,今日はこの曲を取り上げたい。
 
Bruce Springsteen - Tunnel of Love - 1987
♯5 Walk Like a Man
 
1987年にリリースされたブルース・スプリングスティーンの 8th アルバム Tunnel of Love 収録曲。シングル化こそされていないものの,このアルバムからカットされた Brilliant Disguise や One Step Up といった傑作シングルと並ぶ僕の大のフェイヴァリットだ。(断っておくと,ブルース・スプリングスティーンのサウンドは当然,僕の嗜好にフィットするはずもなく,特に彼の代名詞とも言える Born in the U.S.A. あたりはどちらかと言えば僕の嫌悪の対象なってしまうわけだが,Tunnel of Love および1992年に2枚同時リリースされた Human TouchLucky Town は例外だ。)
 
俺は/結婚式の日/俺の手に触れたあんたの手の荒れを今でも覚えている/
俺の肩に落ちたあんたの涙も/俺は振り向くことができなかった/
俺には理解できない出来事が/あまりにもたくさんあった/
思い浮かぶのは/まだ5歳の俺が海辺であんたの後ろを歩いていた時のこと/
あんたの足跡をなぞりながら/男らしく歩こうとしていたんだ…
 
おそらくはさまざまな葛藤の中,必ずしも満たされない境遇に育ったであろう曲中の主人公は,しかし,母親に対する思いと感謝を赤裸々に吐露する。
 
月日は流れ/あんたが蒔いた種から/俺は立派に育った/
大人になるのがこんなに大変だとは思わなかった/一人で学ばなきゃならなかった/俺は幼くて/
あんたの目の前から幸福が遠ざかっていった時も/何をどうすればいいのかわからなかった/
でも/これからはできることは何だってする/一人前の男として/俺は歩き続ける…
 
ようやく中学生になったばかりの美音にはまだ早いかもしれないが,近い将来,共に生きていくと誓える良き伴侶に巡り合ったその時には元嫁にこんなふうに語りかけられる美音であってほしいと僕は強く思う。僕のようなだらしない父親には出来過ぎた息子。美音は僕の誇り。
 
美音,愛音,そして元嫁にこの曲を。愛を込めて。皆の幸福を祈りつつ…。
 
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿