Explain the World in a Word

Hubert Kah - Tensongs - 1986
♯5 Explain the World in a Word
 
旧・西ドイツで結成された3人組,ヒューバート・カーによる初の英語アルバムが1986年にリリースされた彼らの 5th アルバム Tensongs だったわけだが,ふと思い立って引っ張り出したその Tensongs を改めて聴き返して(本国ドイツで最高35位,スイスで最高21位となったこと以外に目立った記録のないこのマニアックなアルバムをなぜ僕が所有しているのかについてはいずれ「懐かしきドーナツ盤」で記そう)驚愕している。
 
サウンド的には当時のトレンドの1つだったシンセ・ポップの範疇ということになるのだろうが,シングル・リリースされた3曲を含む収録曲全てが驚異的なクオリティ。
 
仮に彼らが英語圏のバンドであればもっと評価されていたはずだし,ポスト・パンクやニュー・ウェイヴといったムーヴメントの中にあっても重要視されるようなアルバムになっていただろう。過大評価と思われる向きもあろうが,世が世ならデペッシュ・モードSome Great Reward, あるいは Black Celebration といった存在にすらなり得たのではないかと思う。
 
その驚異のクオリティの全10曲中,最も強く僕の胸を打ったのがA面ラストを飾るこの曲。トータリティの欠如は如何にもメンバーの苦心を覗わせるし,完成度という点では明らかに他の収録曲に劣るものの,サビのメロディとトラックの高揚感は何とも感動的(特に終盤,キーを上げてからのリピートは鳥肌モノ)。
 
楽曲タイトル Explain the World in a Word に対する答えが「愛」だというベタさ加減も最高だ。
 
 
 

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