Never Had No One Ever

The Smiths - The Queen Is Dead - 1986
♯4 Never Had No One Ever
 
1986年にリリースされたザ・スミスの 4th アルバム The Queen Is Dead 収録曲。
 
2004年にBBCリスナー投票で見事「人生を救った曲」第1位に選出された I Know It's Over から同じような曲調が続くせいか,残念ながらアルバム中では目立たぬ1曲になってしまっていると個人的には感じるが,じっくり耳を傾けてみるとやはりなかなか味わい深い。
 
君が/怯えながら/君が育った街の通りを歩いている時/
僕は/悪夢に苛まれていたんだ/20年と7ヵ月と27日間/ずっとね/
僕にはわかっている/そうとも/よくわかっている/僕に仲間がいたことなんてないって…
 
相も変わらず強烈な疎外感を抱えた若者の独白は,しかし,後の The More You Ignore Me, the Closer I Get にも通じる歪んだ狂気の片鱗を見せる。
 
今/僕は君の家の近くにいる/寂しいんだ/僕は君の家の近くにいる/押し入りたくはないけど/
僕にはわかっている/僕は孤独だって/僕は一人ぼっちだって/僕は寂しい存在だって…
 
件の The More You Ignore Me, the Closer I Get における Let me in. の連呼も強烈な哀感を湛えてリスナーの胸を打つが,この曲に聴かれる凄惨な I'm alone の連呼もまたモリッシーのキャリア屈指の好歌唱と言えよう。
 
気が滅入るような陰惨なリリックとトラック。しかし途方もなく美しい1曲であることに違いはない。
 
 
 

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