Remember the Time

過去に何度か述べている通り,1991年にリリースされた 8th アルバム Dangerous までのマイケル・ジャクソンは僕が最もリスペクトするアーティストの一人。僕が彼の最高傑作だと思っているのが1987年の 7th アルバム Bad,個人的に最も好きなのが Dangerous ということになるのだが(意外に思われる向きもあろうが,Thriller がリアルタイムでなかったこと,ニュー・ジャック・スウィングの隆盛を知る僕の嗜好に Dangerous のダンサブルなサウンド・デザインがフィットしたことなどが主な理由に挙げられる)とりわけ Dangerous からの 2nd シングルとなったこの曲は,彼の長いキャリアにあって最もエキサイティングなナンバーの1曲に数えられるだろう。
 
Michael Jackson - Remember the Time - 1992
 
前述の通り,Bad に続き2作連続で全英,全米No.1となった 8th アルバム Dangerous からの 2nd シングル。全英,全米共に最高3位を記録し,カナダ,ベルギー,ニュージーランドでは見事No.1に輝いた。
 
プロデュースはマイケル本人とテディ・ライリー。自身がフロントマンを務めたガイに端を達したニュー・ジャック・スウィングの時流に乗って既にトップ・プロデューサーの地位を確立しつつあったテディとは言え,個人的には安易にトレンドに乗ったという嫌いがあったものの結果は吉。グルーヴィーなトラックに美しいメロディ,スウィートなマイケルの歌唱が映える,まさに極上のニュー・ジャック・スウィングといった仕上がりだ。
 
エディ・マーフィやマジック・ジョンソン,ソマリア出身のスーパーモデル,イマン・アブドゥルマジドが出演して話題となったショート・フィルムの是非,あるいは古代エジプトを舞台としたそのショート・フィルムに登場する「僕らがスペインにいた頃を覚えている?」というリリックの意味など,今なお,このシングルの解釈についての議論は尽きないが,この曲の最大のハイライトは実はブリッジ以降のマイケルのパフォーマンスだと個人的には思っている。
 
[Bridge]
Thoese sweet memories / Will always be dear to me / And girl no matter what was said
I will never forget what we had / Now baby(←ココ)
 
ショート・フィルムでは05:3405:53に聴かれるこのブリッジ,とりわけ Now baby という叫びとその後06:45まで続くマイケルの鬼気迫る歌唱はまさに「キング・オブ・ポップ」たるマイケルの独壇場。
 
冒頭,少々偉そうな御託を並べてはしまったが,強烈に僕の胸を打ったこの曲のあまりに凄まじいマイケルのパフォーマンスこそが僕が Dangerous を愛する端的な理由だと言えるのかもしれない。
 
 
 

2 件のコメント:

  1. 読ませていただきました!私もこの曲のショートフィルム大好きです。

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