Uncertain Smile

The The - Uncertain Smile - 1982
 
孤高のカリスマ,マット・ジョンソン率いるザ・ザの 1st アルバム Soul Mining からのリード・シングル。(この Soul Mining2nd アルバムとして扱われることも多いが,1981年にリリースされた Burning Blue Soul はマット・ ジョンソンのソロ名義。1993年の再リリース時にザ・ザ名義に差し替えられた。)
 
僕が最も好きなのは実は1983年にリリースされたこのシングルのニュー・ヴァージョンということのなるのだが,少々複雑な経緯となるため,先にその時系列を簡潔に記しておこう。
1981年→ザ・ザ名義の 2nd シングル Cold Spell Ahead をリリース。
1982年→リライトした Cold Spell Ahead を Soul Mining からのリード・シングル Uncertain Smile としてリリース。
1983年→ジュールズ・ホランドのピアノ・ソロをフィーチャーしたニュー・ヴァージョンをシングル・リリース。
1983年→ニュー・ヴァージョンが収録された 1st アルバム Soul Mining をリリース。
 
このシングルの原型は1981年にザ・ザ名義でリリースされた 2nd シングル Cold Spell Ahead。一部のコアなファンの間で話題となるもセールス,チャート・アクション共に惨敗を喫したこの曲をマットとソフト・セルのプロデュースで知られるマイク・ソーンがリライト。アップタウン・ホーンズのクリスピン・シオーによる長いフルート,サックス・ソロを加えたヴァージョンが1982年に Uncertain Smile としてシングル・リリースされた。
 
このヴァージョンは全英最高68位となるヒットを記録したが,翌年,クリスピンのフルート,サックス・ソロを元スクィーズのジュールズ・ホランドによるピアノ・ソロに差し替えて再レコーディング。Uncertain Smile のニュー・ヴァージョンとして再度シングル・リリースされた。ニュー・ヴァージョンはオランダで最高31位を記録したのみでコマーシャルなヒットにはつながらなかったものの,Soul Mining にはこちらが収録されることとなった。
 
「曲中のインストゥルメンタル・パートこそが僕の存在意義であり貢献だと考えていたんだけど,マットは僕の独立したソロを繋いでアウトロに使ったんだよ。後で知ったことなんだけどね(ジュールズ・ホランド)」
 
このアウトロを冗長だと捉える向きが多いのも事実だが,僕はジュールズのソロが大好きだし彼の奔放なプレイがこの曲に新たな生命を吹き込んだとさえ思っている。バンド・サウンドを確立した The Beat(en) Generation 以降の楽曲を別にすれば,この曲がマット・ジョンソンのキャリア最初期にあって僕の心に最も強く残る1曲だと言える。
 
 
 

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