Last Christmas

23回「懐かしきドーナツ盤」。クリスマス・イヴの今日は,もはやこの時期の風物詩とも言える WHAM! のこの曲を取り上げよう。  
 
WHAM! - Last Christmas - 1984
 
1984年,出世作となった 2nd アルバム Make It Big 収録曲の Everything She Wants との両A面シングルとしてリリースされた80年代UK屈指のラヴ・ソング。デンマーク,スウェーデン,アイスランド,スロベニア,さらにはここ日本でもNo.1を記録,意外にも全米で最高25位,全英で最高2位止まりながら,毎年,冬になると必ず各国のナショナル・チャート上位に顔を出すクリスマス・シーズンの定番中の定番だ。
 
WHAM!名義ながら実際にはジョージ・マイケルによるセルフ・プロデュースで,トラックのプログラミングを含む全てのレコーディングが彼一人の手で行われた。
 
 
「この曲と共にロマンティックな夜を…」とか「素敵なカップルたちにこの曲を…」とか,おそらく今日は日本中でこの曲が流れることになるのだろうが,僕が声を大にして言いたいのは,これが実は惨めな失恋ソングだということ。
 
去年のクリスマス,「僕」が「彼女」に捧げたハートが
翌日には捨てられたって歌ですよ!
 
本気だった「僕」が自分は何てバカだったのかって
猛烈に反省している歌ですよ!
 
ズタズタに傷付いてしまった「僕」は,その傷を見せまいと,
「彼女」の氷のように冷たい心から隠れて
過ごすことを心に誓ってしまうという歌なんですよ!
 
もちろん,名曲であることに異論の余地はないわけだが,この曲をロマンティックと評する安直なレヴューにはさすがの僕も失笑を禁じ得ないというね…(苦笑)
 
 
現在,一般に流通している Pudding Mix と呼ばれるエクステンデッド・ヴァージョンには如何にも後付けといった違和感があるものの,ジョージのパフォーマンスは本当に素晴らしい。
 
 
 

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