Cherish

21回「懐かしきドーナツ盤」。少々意味不明なチョイスとなった前回の口(耳?)直しというわけでもないが,今日はビルボードのアダルト・コンテンポラリー・チャートで80年代最大のヒット曲となった珠玉の1曲。
 
Kool and the Gang - Cherish - 1985
 
ジェームス・“JT”・テイラー加入後のポップ路線で80年代前半にヒットを量産したクール&ザ・ギャングの 16th アルバム Emergency からの 3rd シングル。冒頭に触れたアダルト・コンテンポラリー・チャートでは6週に渡ってNo.1をキープ,レギュラー・チャートでも全英最高4位,全米最高2位を記録した80年代屈指のラヴ・バラードだ。

 
まるで年代物のワインか何かを思わせるような落ち着いた大人のトーンを醸すこのメロウな逸品に手を伸ばすあたり,小学生の僕もずいぶん背伸びをしていたものだと少々恥ずかしくもなるが,それもこの曲が世代を問わず(ローティーンだった僕を含めて)多くのリスナーの胸を打つ「普遍的」な魅力を湛えていたということなのだろう。

さて,ここからは完全に余談。
 
この曲のタイトルにもなっている Cherish は極めて美しく魅力的な単語だと僕は思っているが,洋楽歌詞和訳・ときどき邦楽英訳(意訳)で管理人のいしたにみさお氏がその Cherish について非常に興味深い記述をされているのでここに引いておきたい。
 
「『Cherish』で思い出すのがローマの休日,ラストシーンの名台詞『I will cherish my visit here in my memory as long as I live.』『ローマは忘れ得ぬ街となるでしょう』という訳は本当に凄い。美しい。凄いと思います。『cherish』っていうのが心の奥底で大切に持ち続けてるっていう感じやからそれが美しい日本語にピッタリはまっているんですね。素晴らしいです。」
 
僕はこの記述に見られる氏の感性こそが素晴らしく,また美しいと思う。
 
 
 

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