Love Lost

The Temper Trap - Love Lost - 2010
 
オーストラリア,メルボルンでの結成後,ロンドンに拠点を移して2009年にリリースされたザ・テンパー・トラップの 1st アルバム Conditions からの 4th シングル。残念ながらナショナル・チャートはオーストラリアの最高32位のみと全く目立ったヒットにはならなかったものの,全英最高6位を記録して2008年屈指のインディ・アンセムとなった 1st シングル Sweet Disposition と並ぶ僕の大のフェイヴァリットだ。
 
オーストラリア出身のバンドながら,アークティック・モンキーズやカサビアンといったビッグ・ネームのアルバムでも知られるジム・アビスのプロデュースによる如何にもUK然としたクリアなギター・サウンドが彼らの大きな魅力と言えるわけだが,とりわけクラッピングとキーボードを効果的に配したこの曲のウェットなトラックと美しいメロディは非常に僕好み。
 
加えて,この曲は何としてもMVと共に味わいたいところ。シンプルなリリックと絶妙にフィットした世界観,そして中盤以降,小刻みに繰り出される小さなサプライズの連続はダギー・マンダギの美しいファルセットとも相俟って不思議と胸を打つ。(賛否はあれどラストのオチも個人的には大好き。)
 
惜しむらくは(これは彼らのほぼ全ての楽曲に共通していることだが)ライヴにおけるダギー・マンダギのヴォーカリゼーションの再現性が極めて低いことか。精力的なライヴ活動が彼らの知名度を上げてきたとは言え(彼の声質上,止むを得ないと言えなくもないが)スタジオ・テイクのクオリティからは明らかに劣るダギーのパフォーマンスは僕にとっては大きな減点要素となるわけで,これが僕がザ・テンパー・トラップに全幅の信頼を寄せられない理由の一つとなっていることは否めない。
 
 
 

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