Stay Gold

The Outsiders: Original Soundtrack - 1983
♯1 Stay Gold - Stevie Wonder
 
事ある毎に対立する貧困層のグリースと富裕層のソッシュ。グリースのメンバーであるポニーボーイ,ジョニー,ダラスの3人は潜り込んだドライブインシアターでソッシュのチェリーと出会う。帰り道でソッシュのメンバーと一触即発となるもチェリーが仲裁。しかし,その後,深夜の公園で激しい暴行を受けたポニーボーイを救おうとしたジョニーがソッシュのボブを刺殺してしまう。ダラスの手引きで郊外の古い教会に身を潜めたポニーボーイとジョニーは読書やトランプで日々をやり過ごす。
 
「黄金は色褪せる…」美しい朝焼けを見ながらポニーボーイはロバート・フロストの詩を暗唱する。
 
ある日,ポニーボーイとジョニーが2人を訪ねたダラスと共に外出している間に教会から出火。たまたま遊びに来ていた子どもたちが巻き込まれてしまう。ポニーボーイとジョニーは子どもたちを救出するためにダラスの制止を振り切って燃え盛る教会に飛び込むが,ジョニーは重症を負ってしまう。
 
グリースの不良少年が英雄になったというニュースが世間を騒がせる中,彼らの行動に違和感を覚えたソッシュのランディはポニーボーイを誘い,互いの思いを本音で語り合う。一方,深刻な障害を負ったジョニーはポニーボーイに「死にたくない」と語る。 目前に迫ったグリースとソッシュの決闘前夜,ポニーボーイはチェリーと会う。ポニーボーイへの恋心とボブを殺したジョニーを憎む気持ちで揺れ動くチェリー。果たして激闘の末,グリースが勝利を拾うが,勝利の報告のために病院を訪れたダラスとポニーボーイの目の前でジョニーが帰らぬ人となる。
 
「喧嘩はよせ」「黄金のままでいるんだ(=Stay Gold)」と言い残して。
 
ジョニーの死に激しく動揺するダラス。自暴自棄になって衝動的な強盗を犯したダラスは警官に射殺されてしまう。
 
ポニーボーイはジョニーが彼に残した手紙を読み返す。「俺は子どもたちのために自分を犠牲にしたことを後悔していない。子どもたちはみんな黄金なんだ。黄金の心を持ち続けるんだ。ダラスにもそれを分からせてやってくれ…」
 
若き日のC・トーマス・ハウエル,マット・ディロン,ラルフ・マッチオ,パトリック・スウェイジ,ロブ・ロウ,さらにはあのトム・クルーズ(!)も出演していたことで知られる映画「アウトサイダー(1983年・米)」は僕の大好きな青春群像。批判もあれど,GQ誌の「知名度の低いコッポラの傑作5選」に選出され,2005年には未公開シーンを加えたディレクターズカットが公開されて反響を呼ぶなど今なお熱狂的なファンも多い。(僕もその一人であるわけだが。)
 
劇中,象徴的に挿入される朝焼けと共に日本での公開前には邦訳が公募された Stay Gold というジョニーの最期のセリフがこの映画のテーマを読み解く重要なファクターとなるわけだが,その Stay Gold をタイトルにしたテーマ・ソングもまた非常に印象的。
 
フランシス・フォード・コッポラの父,カーマイン・コッポラとスティーヴィー・ワンダーが手掛けたテーマ・ソングによってこの映画のオープニングはエンディングと見紛うばかりの美しさを湛えることになる。
 
これもまた音楽が持つ大きな力だと僕は思う。
 
 
 

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