Jump Around

僕自身は Hip Hop の歴史に殊更造詣が深いわけでもなく,耳に残った曲が収録されているアルバムを探しては買い漁るといった程度のライトなリスナーで,世代的にも90年代以降の所謂ニュー・スクールが中心となるわけだが,それでもフェイヴァリットとなるとやはり相当数にはなる。そんな中でサイプレス・ヒルの流れを汲むハードなサウンド・デザインが光るこの曲は,メンバーの硬派なスタンスと共に今なお強く僕の心に残る。

House of Pain - Jump Around - 1992
 
白人であるエヴァーラスト,ダニー・ボーイ,DJ リーサルの3人によって結成されたハウス・オブ・ペインがセルフ・タイトルを施して1992年にリリースした 1st アルバム House of Pain からのリード・シングル。全英最高8位,全米最高3位を記録し,VH1100 Greatest Songs of Hip Hop66位,100 Greatest Songs of the 90s では24位にランクされている90年代屈指のフロア・アンセムだ。
 
DJ マグスがサイプレス・ヒルのアルバム用に録音していたトラックがこの曲の原型。そのサイプレス・ヒルのラッパーであるB・リアルがレコーディングに難色を示したためアイス・キューブに提供されたもののアイス・キューブもこれをまさかの却下。流れ流れて最終的にDJ マグス本人によるプロデュースでハウス・オブ・ペインのこのシングルに用いられることとなった。
 
…とは言え,ザ・ローリング・ストーンズによるカヴァーでも知られるボブ&アールのソウル・クラシック Harlem Shuffle の印象的なファンファーレが高らかにスタートを宣言した後,ハイピッチで挿入される(ホーンで表現されたという)スクイーリングのアクセントに彩られながら進行するハードなトラックと重厚なビートは圧巻。
 
ソロに転じたエヴァーラストは What It's Like でグラミー受賞,ダニー・ボーイはラ・コカ・ノストラを主宰し,DJ リーサルはリンプ・ビズキット結成。個人的には2010年の再結成後の活動にはやや懐疑的ではあるものの,思えばこれだけのメンバーが集結していたわけだからその圧巻のサウンド・デザインも当然といったところではある。
 
フックの Jump の連呼にクリス・クロスを連想してしまうのは僕のような軟弱なリスナーの為せる業か…(笑)
 
 
 

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