Wonderful Life

 
Black - Wonderful Life - 1986
 
20161月,不慮の事故によってこの世を去ったブラックことコリン・ヴァーンコムの代名詞とも言える1曲。
 
元々は同名の 1st アルバム からのリード・シングルとして1986年にリリースされたもの。3rd カットとなった Sweetest Smile のスマッシュ・ヒットを受けて再リリースされた1987年,No.1を記録したオーストリアを含むヨーロッパ12ヵ国でトップ10入りするビッグ・ヒットとなった。
 
逃げる必要もない/隠れる必要もない/それこそが素晴らしき人生だ…
 
笑う必要もない/泣く必要もない/それこそが素晴らしき人生だ…
 
「逃げ隠れ」はともかく,サビのリリックに描かれる感情の起伏のない世界はとても「素晴らしき哉,人生!」といった類のものではないようにも思われるが,これはアイロニカルな表現を好む英国人気質が反映されたものだろう。いずれにせよ,AllMusic が「ブライアン・フェリーモリッシーの間に位置づけられる」と評したコリン(当然,僕自身はこの評価に納得するものではない)の淡々としながらどこか不思議な哀愁を帯びた歌唱で綴られるこの「素晴らしき人生」は,印象的なスティール・ドラムの音色とも相俟って途方もない美しさを湛える。
 
なかなか味わい深い楽曲を多く残していると個人的には思うものの,所謂「一発屋」にカテゴライズされることが多いコリン・ヴァーンコム。やはりブラックと言えばこの Wonderful Life ということにはなるのだろう。
 
モノクロのMVもこの曲の世界観にピッタリだ。
 
 
 

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