Man in the Mirror

Michael Jackson - Man in the Mirror - 1988
 
以前,このブログでも述べたことがあるが,プリンスマドンナ,あるいはスティーヴィー・ワンダーといった面々と並んで,8th アルバム Dangerous までのマイケル・ジャクソンは僕が最もリスペクトする(これまで彼の楽曲を取り上げていなかったというのは我ながら驚きなのだが)アーティストの1人だ。
 
Man in the Mirror は実に9曲のシングルと5曲の全米No.1ヒットを生んだ80年代屈指のモンスター・アルバム Bad からの 4th シングル。その歴史的傑作 Bad の中では僕が最も好きな1曲で,この曲を彼のベストに挙げるファンも多い。
 
鏡に映っているそいつから始めるんだ/そいつを変えていかなくちゃならない/
ここまで明確なメッセージを感じたことはなかった/世界をより良いものにしたいと願うなら/
まずは君自身を見つめ直して/そして/変えていくんだ…
 
楽曲そのものはマイケルではなくシェーダー・ギャレットとグレン・バラードが手掛けたものだが,美しいメロディと2015年に他界した「現代ゴスペル・ミュージックの父」アンドレ・クラウチやザ・ワイナンズをフィーチャーした鮮やかなコーラスと共に真摯なメッセージがダイレクトに胸を打つ。
 
今すぐ始めなくちゃならない/もう時間はないんだ/君の/君の心を閉ざしちゃいけない…!
 
特に終盤に聴かれるマイケルの鬼気迫るパフォーマンスは圧巻。
 
とかく人種差別といった問題と絡められがちな点には個人的には違和感を覚えるが(シェーダーとグレンの思惑がどうあったにせよ,マイケル自身はもっとグローバルな視点だったはずだと僕は思っているから)いずれにせよ,キャリア屈指の名曲と言って差し支えないだろう。
 
余談だが,このシングルのスリーヴ裏面に記載されていた“Dedicated to Yoshiaki Hagiwara. May such a terrible thing never happen again. I will always love you. Michael Jackson.”は,1987年に高崎市で発生し,その後2002年に未解決のまま時効となった誘拐殺人事件の犠牲者である荻原功明ちゃんに捧げられたものだ。
 
 
 

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