How Soon Is Now?
The Smiths - How Soon Is Now? - 1985
「How Soon Is Now? はF♯チューニングだ。スワンプ風のサウンドでモダンなバイユー・ソングにしたかったんだ。ストレートなEのリフにオープンGとF♯m7が続く。コーラス・ギターはオープンB, A, Dの形で高音部の2本の弦を響かせる。ビブラート・サウンドは凄くいい出来だと思うけど,これにはずいぶん時間がかかったよ。リズム・トラックはエピフォン・カジノをフェンダー・ツイン・リバーブに通してアンプのビブラートを使わずに録った。それからそのトラックをプレイバックして,4台のオールド・ツイン・リバーブに通して左右を2台ずつに分けたんだ。トラックの音と4台のアンプのビブラートのタイミングを合わせるために何度もトラックを繰り返さなくちゃならなかった。この曲のサウンドは信じられないくらいエゴイスティックに聴こえるかもしれないけれど,イントロは Layla くらい強烈なものにしたかったんだよ。クラブやパブですぐに皆がこの曲だとわかるようにね。実際,この曲は僕が書いた曲の中でもすぐにそれとわかる曲の1つで,これまでも多くの質問を受けたんだ。でも,スライドをどうやったか思い出せないんだよ。書き留めておかないのは僕の悪い癖の1つだね。スライドでは3つのパッセージにハーモナイザーをかけている。6度とか変な音程にセットしていたと思う。パッセージごとにハーモナイズが異なっていたよ。ハーモニックスになっているラインではチューニングし直して,全てが12フレットのナチュラル・ハーモニックスでプレイできるようにしたんだ。何回か重ねてね(ジョニー・マー)」
アーティスティックなサウンド・デザインに徹したジョニーのソングライトが冴え渡るこの曲のトラックは,当時,ザ・スミスのUS盤を手掛けていたサイアー・レコードのチーフ,シーモア・スタインをして The STAIRWAY TO HEAVEN of the Eighties と言わしめる。
僕は/惰弱の息子/犯罪的なまでに低俗な内気さの/息子にして後継者/
僕は/後継者/「平凡」それ自体の/息子にして後継者…
黙れ!/よくも/僕が間違っているだなんて言えるな?/僕だって人間なんだ/
僕だって愛が必要なんだ/僕は/愛されたいだけ/みんなと同じように…
練りに練られたトラックとあまりに凄惨なリリックとのこの残酷なまでのコントラスト。ジョニーにしか創り出せないトラックとモリッシーにしか書けないリリック。ザ・スミスでなければ決して生み出し得ない珠玉の1曲と言えよう。
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