Fight the Power

今年上半期のハイライトは,何と言っても5月の運動会,紅組の応援団長を拝命した美音が立派にその大役を務め上げたことだろう。特に,開会に先立って披露された美音の口上は迫力満点,親の贔屓目もあろうが,保存した動画を再生する度に思わず涙が出てくるほど感動的な姿だった。
 
まさに子は宝,生まれてから半年近くを大病院のNICUで過ごし,さまざまな機器に繋がれて身動きもできぬまま懸命に死と闘っていた美音がよくぞここまで健やかに育ってくれたものだ,と…。
 
さて,本日の1曲。
 
Public Enemy - Fight the Power - 1989
 
アメリカ議会図書館に重要保存録音物として永久保存されている,パブリック・エネミー,1990年の歴史的傑作 Fear of a Black Planet からのリード・シングル。
 
僕自身,一種の社会現象とも呼べるほど白熱した議論を巻き起こした当時の彼らの活動をリアルに知る世代だが,1989年の米映画「ドゥ・ザ・ライト・シング」のテーマ・ソングにもなったこの曲は,今なお Hip Hop 史上,最も大きな影響力を持つ1曲だと言えるだろう。
 
エルヴィスは皆のヒーローだって言うが/俺には何の意味もないさ/
完全な差別主義者/最低な野郎だよ/ジョン・ウェインもな/
俺は/黒人であり/それを誇りに思っている/もう/準備はできているさ/
切手になっている奴らに俺のヒーローはいない/確かめてみろよ/
合衆国の400年/切手になっているのは/白人のクソ野郎ばかりだろう?/
 
“Don't Worry Be Happy” なんて曲が1位になっていたが/
もし/俺がそんな曲を歌っていたら/その場でブン殴ってくれよ/
さあ/これからが本当のパーティーだ/今すぐさ/
合言葉は/「権力を人民に!」/遅れるな/皆に知らせろ/
「権力と闘え!」/「権力と闘え!」/「俺たちは権力と闘わなきゃならないんだ!」
 
ローリング・ストーン誌の The 500 Greatest Songs of All Time322位,VH1100 Greatest Songs of Hip Hop で見事1位,さらにはあの「ロックの殿堂」による「ロックンロールを創った500曲」にも名を連ねる,凄まじいと言うには余りに凄まじい熱量を放つ稀代のメッセージ・ソング。
 
今日,12歳の誕生日を迎えた愛息・美音にこの曲を。愛を込めて。
 
 
余談だが,「ドゥ・ザ・ライト・シング」は僕も大好きな映画の1つ。バラク・オバマとミシェルが初デートの際に鑑賞した映画としても知られているが,当然,若いカップルがデートで観るような内容の映画ではない。
 
 
 

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