Marquis of Sadness
Momus - Hippopotamomus - 1994
♯4 Marquis of Sadness
1991年の傑作 Hippopotamomus は 4th アルバム Don't Stop the Night 以降,急速に打ち込み主体のサウンドへと傾倒していくモーマスが辿り着いたキャリア初期の1つの究極だった。
クールに電子化されたトラックとポップなメロディに彩られた楽曲群は,しかし,どこか陰鬱な危うい美しさを湛えているが,その輝きは ♯4 Marquis of Sadness に止めを刺す。
プライヴェート・ハウスと呼ぶにふさわしい無機質なトラックをバックに,囁くようなモーマスの声と可愛らしい少女の声が奏でる美しく叙情的なメロディ。ハウス然とした中にあってむしろアコースティックな肌触りを感じさせるのは効果的なピアノの音色とこのあまりに美しい旋律のせいだろう。
シャルロット・ゲンズブールへのオマージュを見事に昇華してのけた 6th アルバム Hippopotamomus リリースの後,奇才・モーマスは,ヴァーチャル・ライヴ The Ultraconformist でネクスト・レヴェルに達する。
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