Panic

The Smiths - Panic - 1986

クレイグ・キャノンを新たなメンバーに加えてリリースされた1986年の 12th シングル。モリッシーの詞作は時に激しい非難の対象となるわけだが,この曲もまた,リリースと同時に各方面から大きな反響を呼んだ。
 
ディスコなんざ焼き払え/ありがたいDJ様を吊るし上げろ/
人生の足しになるようなことは/何ひとつ歌っちゃいない/
やつらが選ぶ曲のお礼にな/忌々しいDJを吊るし上げるんだ/
いつも/やつらが選ぶ音楽のお礼にな/
通りかかった/リーズの横丁で/おまえが/走り回っている街でも/
DJを吊るし上げろ/DJを吊るし上げろ/DJを吊るし上げろ/
DJを吊るし上げろ/DJを吊るし上げろ/DJを吊るし上げろ…
 
僕がポップ・ミュージックに開眼した時期だから個人的には必ずしもそう思ってはいないのだが,80年代のUKロック・シーンが時に「暗黒期」などと揶揄されながら幾許かの軽蔑を込めて語られることがあるのも事実。そこでモリッシーは痛烈に叫ぶ。どこに行ってもパニックに陥ってしまうような酷い曲しか流れていないから,「諸悪の根源であるDJを吊るし上げろ!」と。
 
このシングル・リリースの後,モリッシーはしばし「黒人差別主義者」のレッテルを貼られてしまうことになるわけだが,これほどまでに辛辣なリリックをここまでポップな3分間ソングに仕上げてしまうモリッシーとジョニーのコンビネーションの妙。やはり,ザ・スミスならではの1曲と言えるだろう。
 
 
 

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