November Spawned a Monster

Morrissey - November Spawned a Monster - 1990

1990年にリリースされたスタジオ・アルバム未収録の 6th シングル。

クライヴ・ランガーが手掛けたこの初期の傑作シングルのトラックについてはモリッシー自身も「個人的に最も気に入っている」と語っているものの，「彼のキャリアで最もパワフルなシングルの1つ」と評したAllMusicのネッド・ラジェットを除けば，総じてこの曲の無残なリリックへの酷評が目立つ。
 

ぐっすり眠って／あの子の夢を見るんだ／そうすれば／君は／一番愛に近づける／
歪んだ子／ああ／なんて醜いんだ／歪んだ子／僕を抱きしめてくれるかい？／
11月のある日／怪物が／この子の身体を借りて生まれ落ちたんだ…

 

「絶望の中にあって人は如何に生きるべきか？」

 

多くのレヴュアーがこの曲のシリアスなリリックなテーマをこう指摘しているが，僕にはここで謳われているのはむしろ徹底した絶望のみであるように思えてならない。

 

絶望のどん底で足掻く自分。どう足掻いても這い上がることなどできない。何も変わらないし，何も変えられない。愛など夢見るだけのものに過ぎない。しかし，歩くほかない。生きていくつもりなら，と…。