Numb

21日,チェスター・ベニントンが自ら命を絶ったことが明らかとなった。
 
過去にドラッグ,アルコール依存症との闘いや幼少の頃に受けていたという性的虐待についても赤裸々に告白していたチェスターだが,パロス・ベルデス・エステーツ市内の自宅で首を吊っている状態で発見されたという。
 
奇しくも今年5月に同じく自ら命を絶ったクリス・コーネルの誕生日。41歳という若さでの早過ぎる死だった。
 
僕自身,リンキン・パークの熱心なリスナーではないし,近作までの全てのアルバムを網羅しているわけでもないが,Hybrid TheoryMeteora2枚は近代ロック史にその名を刻む名盤,特に Meteora には,かつてオールドスクールからエアロスミスに接近してジャンルの壁を見事に超越した Run-D.M.C.Walk This Way にも匹敵する歴史的意義があると僕は今でも信じて疑わないし,ライヴでの再現性は極めて低いとは言え,スタジオ盤で映えるチェスターの独特の発声なしに彼らのミクスチャー・サウンドがこれほどの魅力を湛えることはなかったと断言できる。
 
Linkin Park - Numb - 2003
 
本日の1曲は,その傑作 2nd アルバム Meteora からの 3rd シングル。全英最高14位,全米では最高11位を記録して彼らの名を一躍世界に知らしめた,バンドのキャリア初期を象徴するナンバーだ。
 
今なお数多のフォロワーに溢れるミクスチャー・サウンド,Hip Hop 世代によるヘヴィ・ロックへのアプローチは既に使い古された手法と言えなくもないが,驚くべきはこれが2003年のシングルであるという事実。チェスターの見事な歌唱も映えるこの傑作シングルを追悼の意としたい。
 
稀代のシンガー,チェスター・ベニントンの冥福を祈る。
 
 
 

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